「月光線」 [詩]
「月光線」
君が居なくなるなんて
時が止まったみたいだ。
君は涙目で笑いながら
笑顔で別れようと言う。
僕は心をできるだけ空っぽにしながら
それでも君の居なくなった日々に想いを巡らす。
君に会わなければ、こんな悲しみは無かったのに。
君に出会ったから、楽しい日々が僕の中にある。
満月の夜に現れた君は、
満月の夜に闇へ消えて行く。
僕は月を見上げながら、
月へ帰る君を思い描いた。
2011/7/31(日)
「狐(二) : 戦い」 [詩]
2009/02/22(日)
次の瞬間、僕は広い神社の境内の本殿前に居た。
鳥居の方の上空からこちら目掛けて、
木の板のお札が大量に飛んできた。
それが止むと、
境内に居た人たちはみな、
何かに操られるように僕に襲ってきた。
僕は逃げながら、
神社の柵を作っている中の一本の木の板を抜き取り、
それを刀代わりにして、
襲ってくる人たちと戦った。
戦いながらお守りの売り場の前まで来ると、
巫女さん達が、「これを。」と言って、
お守りの珠を渡してくれた。
それを僕に向かってくる人達に投げつけると、
当たった瞬間に正気に戻った。
僕は次々と襲ってくる人に珠を投げつけ、
ほぼ全員を正気に戻した。
すると、鳥居の方から、
巫女の衣装を身につけ、
狐の顔をした
敵の大将らしきものが姿を現した。
狐が呪文を唱えると、
再び境内にいたみんなが奴の術に掛り、
僕を襲ってきた。
先程の珠を投げつけても、
今度は正気に戻らない。
あせっていると、助けてくれるという男が現れ、
神社の柱を削って作った木刀を秘刀だと言って、
それを手にして戦うように促された。
そんなもので罪のない人達を叩いて、
罰は当たらないのか、
神と人々と両方に気兼ねして、僕は迷っていた。
「浄化」 [詩]
2008/09/12(金)
「浄化」
日本中が海に飲み込まれて行く。
山の上の田舎は、海の底に沈まずに済む。
僕の田舎は、山の中。
辛うじて波打ち際に変貌した。
腐った街が消えてなくなり、
自然に囲まれた野山が残る。
平和と静けさが訪れた。
「ささやかな望み」 [詩]
「ささやかな望み」
たとえこの世が薄汚れていようと、
自分の心が清らかならそれで良い。
たとえこの世が薄汚れた人ばかりでも、
自分の愛する人が美しければそれで良い。
たとえ現実世界が荒んでいても、
飛び込んでくるVirtualな世界が平和ならそれで良い。
たとえ人々が悪意に満ちていても、
Networkからやってくる情報が愛に満ちていればそれで良い。
願わくば、健康で、裕福でいたい。
ささやかな僕の望み。
「仮面」 [詩]
「仮面」
僕は見知らぬ男達に囲まれていた。
こいつらに正体をばれないように、
じっと心を沈め、言葉と表情を選んだ。
やがて、見方らしき人物が輪に加わり、
僕の正体に薄々気づいたようだ。
しばらくすると、さらに知人が加わったが、
こいつは敵だ。
しかも、僕が正体を隠している事になど、
まるで気づかない。
みんなが部屋から居なくなると、
僕は要りもしないのにくれた物を、
山程捨てた。
体にまとわり付いた不快感は、
捨てることが難しかった。
「狐」 [詩]
「狐」
いつものように愛車で山道をドライブしていると
急に車が猛スピードでバックし始めた。
ギアは前進、アクセルは一杯に踏んでいる。
数分バックで走り続けると、
山の中の比較的ひらけたところで車が勝手に止まった。
車を降りて数メートル歩くと、
狐の顔をした人、もしくは、
二本足で立って服を着て言葉をしゃべる狐が居た。
何かしゃべっているが聞き取れない。
怖くなって、山の中を歩き出すと、
石でできたアジア風の古代遺跡のお寺のような建造物があった。
その中を走り抜けようとすると、
至る所に、狐の石像が設置してあった。
石の建造物を抜けて、
山道を走り続けた。
数分走ると、コンビニがあった。
僕は少し安心して中に入ると、
狐の顔をした店員がこちらを向いた。
僕は耐えられなくなって、
目をつぶって、うつむき、
その後、テレポーションした。
獣 [詩]
「獣」
裏街道を歩いているから
獣に襲われる
女の体をしたサイの頭を持った獣
魂を吸い取られ
まだ体が自由に動かない
表街道を歩くように努めよう
暖かい人に会って
魂が癒されるように
「理想の奴隷」 [詩]
今日も体調が悪くて会社を休んでしまった。一日中寝ていた。健康な体に成りたい。
良い事が一つあった。楳図かずお原作の映画「おろち」の主題歌に僕の好きな柴田淳の「愛をする人」が決まったと発表があった。しかも僕の好きな木村佳乃が出演している。これは、何としても見に行かないと。
「理想の奴隷」
この体を引きずって
僕の理想は生きていく
この体は理想の奴隷
余りにも物足り無い奴隷
それでも共に生きていく